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「未来都市」時代のハイテク投資

「未来都市」時代のハイテク投資

By ティーカ・ティワリ

2016年1月、私はニューアーク空港から5時間のフライトを経てネバダに到着した。そこは10年先の未来だった。

 

着陸したとき、私は世界でもっとも進んでいる都市がどんなものかを知る独占ツアーの機会を得た。まさしく、私が目にしたのはSF小説の世界から抜け出た光景だった。

 

この「未来都市」のテクノロジーは、かつて私たちが目にしたどんなものよりも、はるかに先を行っている。

 

この不規則に広がる大都会で、人々はバーチャルリアリティ(VR)ヘッドセットを使って買い物をし、ゲームを楽しむ。無人の車を乗り回し、ポータブルの翻訳機を装着している。もちろん、人々の安全も守られている。

 

たとえば、市の北部まで8時間車を走らせれば、そこは国内でもっともよく知られるスキーリゾートがある。

 

ご存じのように、スキーにはかなりの危険が伴う。だがここでは、とある企業が、斜面で転んだときにエアバッグのように自動で膨らむスキーベストを製作している。だから、この市のスキーヤーが休暇に出かけるときは、世界の他のどんな場所よりも安全が守られるのだ。

 

私が持っている「ハイテク」なガジェットですら、この「未来都市」では時代遅れだ。

 

スマートフォンのバッテリーは、1回充電してもおそらく数時間しかもたない。ところが、「未来都市」の住民が持つスマートフォンのバッテリーは、1回充電すればほぼ10日間も持続できるのだ。

 

ツアーの途中でランチに立ち寄ったとき、私は市内で一番のステーキハウスでポーターハウスステーキを食べ、クレジットカードで支払った。しかし、この街の住民はお昼を食べるのにクレジットカードや現金は使わない。何やら「デジタル通貨」と呼ばれるもので支払っているのだ。

 

ペンシルバニアの自宅で、私は無線インターネット(Wi-Fi)を使用している。接続は1秒あたりおよそ10メガバイト。標準速度だ。

 

もしも、家族と最新版の『スター・ウォーズ』をHDで見ようと思ったら、ダウンロードするには8時間待たなければならない。

 

しかし「未来都市」では、人々はLi-Fiと呼ばれるものを持っている。これは発光ダイオード(LED)を使って、1秒あたり1ギガビットのデータを送信できる超最新技術だ。Wi-Fiより100倍も速い。

 

Li-Fiを持つ「未来都市」の人々は、同じ『スター・ウォーズ』のHD版を36秒でダウンロードできる。

 

それも次世代HD映像ディスプレイで見られるのだ。これは4Kテレビと呼ばれており、標準画質のテレビや映画スクリーンよりも4倍クリアだ。

 

事実、超高画質はとてもリアルで、テレビ画面というよりは、窓を通して見ている気さえする。

 

こんなことは氷山の一角にすぎない。

 

つまり、この未来的な都市は、人類にとって新時代の文明なのだ。そして私は、その姿をこっそりのぞき見た、数少ない幸運な人間の1人ということになる。

 

それは、この「未来都市」が年に1回しか姿を現わさないからだ。この都市はネバダの砂漠に造られた、他に類のないハイテク・オアシスで、パスがなければ入場できない。

 

もう、みなさんの多くはお気づきだと思うが、この都市はラスベガスである。そう、きらびやかなカジノと、何でもござれのナイトライフで世界的に有名な「罪の街」だ(ちなみに、前述のスキーリゾートはレイクタホである)。

 

ただし、1月のある週だけ、ラスベガスは未来の大都市に変貌する。

 

それはコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)が開催される週だ。そこを訪れるのは、タイムマシンに乗って旅をするようなものである。

 

次世代のテクノロジーは必ず、まずはこの都市に姿を現わす。

 

150の国から15万人を超えるビジネスリーダーや投資家たちが、年1回のCESのイベントにやって来る。そして私は、最新のガジェットの内覧に参加した1人だったのだ。

 

なかでも気に入ったものの1つが、「Rift(リフト)」ヘッドセットだ。Oculus(オキュラス)という企業が製造しているVRシステムである。

 

私はほぼ1時間、列に並んで「Rift」を試した。

 

この装置は、メーカーが「魔法の存在感」と呼ぶバーチャルなゲーム体験を創出する。自分が直接体験したから言えることだが、本当にそのとおりだ。

 

シミュレーションのなかで、私は空軍のジェットパイロットになった。信じられないほど精密で、実体験そのものだった。実際にはそこに存在しないバーチャルの操作装置に手を伸ばす自分がいた。

 

初めはバーチャルリアリティに懐疑的だった私だが、今ではVRがテレビや映画視聴に革命を起こすだろうと確信している。

 

数年のうちに、VRは世界の主導的なメディアプラットフォームになるはずだ。

 

バーチャルモールで買い物をしたり、家を建てる前にバーチャルで中を見学したりできるだろう。こういったあらゆる技術を身につけた企業は、大きな利益を得ることになる。

 

CESでもう1つ注目を集めている技術が、ウェアラブルデバイスだ。

 

ネックレスのように身につけられる言語翻訳機から、デジタルでの支払いに利用できるリストバンドまで、それこそ頭のてっぺんからつま先まで、全身がインターネットに接続される。

 

将来は、自分自身が“歩くスマートデバイス”になる日が来るだろう。このトレンドにいち早く参入する投資家も、潤沢な利益を享受することになると思われる。

 

他にも画期的な取り組みが進行中だ。

 

自動運転車を考えてみよう。これが実現すれば、道路はもっと安全になる。

 

どうしてだろう?

 

それはつまり、ドライバーの過失が交通事故死の94%を占めているからだ。

 

だが、そんな不要な苦しみはもうすぐ終わりを告げる。自動運転車は精密なソフトウェアによって制御されるから、交通事故死のほぼ80%が解消されることになる。

 

CESに参加していたあるエグゼクティブは、あと5年もすれば、こういった車が高速道路を走るようになると言っていた。CESでは実際に何台かが試験走行をしているのも目撃した。

 

多くの投資家はこのトレンドを追いかけようと、自動車の製造に投資するだろう。だが、大きなお金が生まれるのは「そこ」ではない。

 

知恵のある未来の投資家は、車を操縦する「頭脳」を買うのだ。

 

「こんなものはすべてまやかしだ」と思うかもしれないが、決してそうではない。これらのテクノロジーは実現する。しかも、まもなく。

 

それが、私の言う「クオンタム・リープ」だ(ある一定の条件が整ったとき、量子が突然それまでとはまったく違う軌道に飛躍し、異なる性質を持つようになることがある。この現象を「クオンタム・リープ」(量子跳躍)と呼び、「非連続の飛躍」とも呼ばれる)。

 

そのときには人工知能やロボティクスが台頭し、おおかたのマシンやデバイスがインターネットに接続されることになる。

 

さて、人類は、何千年もかけて1つの時代から別の時代に移行し、時代ごとに技術の進歩を成し遂げてきた。それは目新しいことではない。

 

ただし、「クオンタム・リープ時代」が独特なのは、前の時代からの移行とイノベーションのペースがハイパースピードで動いているという点にある。

 

コンピュータは年々、その機能が倍々で向上している。この指数関数的な成長から、まもなく、みずから考える力を持つマシンが生まれるだろう。

 

だが、このような変化からベネフィットを享受するには、自分自身の準備ができていなければならない。

 

私は最近、ラスベガスのCESで見たような破壊的イノベーションをつねに探し求めている。

 

これらの技術は今後必ず、最大の利益を生む機会の1つになると考えているからだ。

 

だからこそ私は、この「「未来都市」時代のハイテク投資」というレポートを著した。

 

みなさんもご存じのように、私の「投資戦略」は、こうした飛躍とその影響について、我々が知っておかなければならないあらゆる側面を解説する唯一のリソースである。

 

もちろん、こうしたテクノロジーについて書いている人は他にもいる。

 

だが、数ヶ月を費やして検索しても、この「「未来都市」時代のハイテク投資」ほど徹底的に考察したものには出会わなかった。

 

たとえば、この投資戦略では、クオンタム・リープからベネフィットを得たいときに、もっとも重要になる当事者や講じるべき具体的な措置の総合的なリストを提示している。

 

この「投資戦略」では次のような内容を説明する。

 

  • どの企業が重要なインフラ構成部品を製造しているのか。
     

  • どの企業が核心的なデータ資産を所有しているのか。
     

  • どの企業がこういったあらゆる技術を実現できる強力なソフトウェアを開発しているのか。

 

また、みなさんが今後3年から5年、そしてそれ以降に所有し、保持したいと思うような具体的な株式も特定している。

 

さて、私が画期的な新技術からお金を儲けたのはこれが初めてではない。

 

2003年当時、プライベート・ウェルス・マネージャーだった私は、すべてのクライアントにAppleを買うように勧めていた。

 

彼らの大半は懐疑的だった。当時、株は1982年のレベルで取引されていた。21年間、小動きに終始していたのである。

 

だが私は、Appleがその主力製品群の技術に新たな活用法を確保していることを知っていた。iPodのことだ。

 

それまで、iPodはAppleのMacでしか使用できなかった。2002年、AppleはついにiPodのPC版を発売すると発表した。

 

これはとてつもなく大きな変化だった。世界でもっともホットなミュージックプレイヤーが、突然、世界でもっとも大きな技術バイヤーのプールで利用できるようになるというのだから。ほとんど頭を悩ます必要のない投資ではないか。

 

では。なぜ誰もがこぞって飛びつかなかったのか。

 

理由は簡単だ。Appleが深刻なレベルで誤解されていたからだ。

 

人々はAppleを成長できない落伍者だと思っており、iPodをニッチ・プロダクトだと考えていたのだ。だが、私の見方は違っていた。私はiPodを新世代のウォークマンだと思っていたのだ。

 

事実、100万ドルを投資していたら、その後の10年間で、4,900万ドル に膨れ上がっていたかもしれないのだ。

 

また、私がCESで見た新技術からも、大きな利益を生み出せる機会がある。これらは未来のiPodになるかもしれない。

 

では、どうしてこの種のテクノロジーの見つけ方が私には分かるのだろう?

 

そう、元ヘッジファンド・マネージャーだった私は、Appleのように私のクライアントに大きな収益をもたらしてくれる投資を見つけ出すのに、どれだけのリサーチが必要になるかを知っている。

 

それは時間を要するだけでなく、費用も高くつく。私は組織的なリサーチ業者と連絡を取っているが、その1社だけで年間6万4,000ドルものお金が必要なのだ。

 

リサーチには、もう1つ別の側面もある。それは、移動を伴うという事実である。

 

来年、私は多くの時間を費やして世界中を回り、CESでしたように、技術企業の幹部や業界の内部関係者と会おうと思っている。実際、世界最大と言われるいくつかの技術イベントに参加するための旅をすでに手配している。

 

たとえば、2016年3月には、テキサス州オースティンで開かれたサウス・バイ・サウスウエェスト(SXSW)のインタラクティブカンファレンスに出席した。これはイノベーションを目指すスタートアップ企業にフォーカスした会合である。

 

また、次のような場所にも旅の計画を立てている。
 

  • ニューヨーク市……ビットコインやFinTechのエキスパートが集まる集会に出席。
     

  • サンフランシスコ……「TechCrunch」(スタートアップ企業や新しいプロダクトのニュースを配信するテクノロジーメディア)でもっともホットなシリコンバレー・スタートアップ企業の内覧会。
     

  • ポルトガルのリスボン……ウェブサミットで技術エリートたちと合流。

 

これは私が出席するイベントのごくごく一部だ。私はみなさんに最高のアイデアを提示できるように、

さらに多くの場所に出かけていくつもりだ。

 

そして毎月、こういったアイデアをみなさんと共有しようと思っている。

 

つまり、みなさんがこの「「未来都市」時代のハイテク投資」を読むことには重要な意味があるのだ。

 

この投資戦略は、私が取り組んでいるあらゆるエキサイティングなリサーチを受容できるように、みなさんの準備態勢を構築するだけではない。今後数年間に、こういった飛躍的な技術から大きな収益を上げるにはどうしたらよいのかを提示するものだ。

 

さて、見ておかなければならないものはたくさんあるが、未来の話に戻る前に、まずは過去の世界をのぞきに行こう。

(中略)

「ピック・アンド・シャベル」的投資戦略 その1

ウェアラブル市場が爆発的な動きを見せれば、ハッカーには個人情報を盗む機会が増えることになる。

 

つまり、クオンタム・リープ時代には、データのセキュリティが極めて重要になるということだ。だから、ウェアラブルのセキュリティにとって重要な構成部品を製造する企業は、クオンタム・リープ時代のビッグな勝者になる。

 

この分野を主導する企業が●●●●である。

 

●●●●は、ノートパソコンのタッチパッドを組み立てる会社として事業をスタートした。スマートフォンが勢いを得たとき、同社は同じ技術をタッチスクリーンに応用した。タッチパッドやスクリーンの最大の顧客はAppleとサムスンだ。

 

●●●●は自社技術を進化させ、Apple Watchのようなウェアラブルデバイスへの対応を実現した。つまり、指紋を利用してデバイスのロックを解除する技術である。

 

これを少し考えてみよう。実際、指紋認証技術は小さなウェアラブル装置の画面を簡便にロックしたり解除できる唯一の方法だ。こういったデバイスは、パスコードを打ち込んだり、パターンをスワイプするには小さすぎる。

 

しかも、指紋認証はパスコードやスワイプといった方法よりもセキュリティが高い。

 

ウェアラブルのユーザーは、支払いの時にも個人のデバイスを使用するだろう。

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